ビー・バップ・ハイスクール40年“聖地”集結へ 仲村トオルさんも

2025/09/28 13:00 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 けんかや恋に明け暮れるツッパリ高校生たちをユーモアとアクションたっぷりに描いた映画「ビー・バップ・ハイスクール」の公開から40年、ロケ地となった静岡市清水区で12月13日から2日間、「当時の若者が全国から『聖地』に集結し、昭和の輝きをもう一度取り戻そう」というイベント「清水ビー・バップ・ハイスクール高校与太郎祭」が開かれる。

 「ビー・バップ・ハイスクール」は、きうちかずひろさん原作の同名漫画を実写化した映画。1985年12月14日に公開され、88年の「高校与太郎完結篇」までシリーズ全6作が制作された。5963人が応募したオーディションで主役の一人・トオル役を射止めた仲村トオルさんにとってはデビュー作で、もう一人のヒロシ役は清水宏次朗さんが演じた。マドンナ・今日子役は昨年急逝した中山美穂さんで、主題歌も歌いヒットさせた。

 イベントのメイン会場は、映画のロケにも使われた清水駅前銀座商店街。ステージでは丈の短い学生服「短ラン」や、もも幅が太く裾が細いズボン「ボンタン」、髪はリーゼントといった「ツッパリコスプレコンテスト」や、「1985年懐メロ演奏」、「昭和を語るトークイベント」などが催され、オープニングセレモニーと初日夕方にMOVIX清水で上映される同作の舞台あいさつに仲村さん自身も駆けつける。昨年12月6日に死去した中山さんの一周忌に当たるため、会場には献花台が用意される。

 イベントを企画した広告代理店「エスクリエイト」(清水区)の石川雅章社長によると、「当時は中学生で、50カ所以上でロケが行われ、市内が沸いたのを鮮烈に覚えている。しかし、当時輝いていた商店街はシャッターが目立つようになり、昭和で言えば100年、中山さんの死から1年。いろいろな思いが交錯してプロジェクトが動き出した」という。

 当日は、ロケ地を巡る「聖地ツアー」を計画。電車内でのけんかのシーンが撮影された同形車両を保存する静岡鉄道車庫も訪れる。ファンの間で伝説とされるそのシーンで、車内から投げ出され、鉄橋の下を流れる川まで落ちたスタントマンも上映会の舞台あいさつに登壇して思い出を語る。

 イベント開催に当たっては、目標額300万円を募り運営費用に充てるクラウドファンディングを26日にスタートした(10月31日まで)。リターン品として、「清水太郎参上!」など名前を書いたイベントフラッグを商店街に掲げる権利(2万円)▽限定グッズのプレゼント付きで静岡鉄道に貸し切りで乗り、落下シーンの鉄橋では徐行運転してもらう(3万円)――などが用意されている。【丹野恒一】

毎日新聞

社会

社会一覧>