和歌山2歳虐待死 両親「娘を1人で残して外出」 衰弱を放置か

2025/09/28 17:20 

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 和歌山市で2歳の長女を虐待し死なせたとして両親が逮捕された事件で、両親が「娘を家に1人で残したまま外出していた」という趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材で判明した。長女の死亡時の体重は2歳児の平均の約半分しかなく、和歌山県警は衰弱する長女を両親が放置していたとみて調べている。

 死亡したのは平流菜(るな)ちゃん。7月10日に救急搬送された病院で死亡が確認され、死因は全身打撲による外傷性ショックだった。保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された父親の晴流(はる)(26)、母親の菜々美(26)両容疑者は、昨秋から流菜ちゃんに暴行を加え、治療を受けさせずに死なせた疑いが持たれている。

 流菜ちゃんには4歳の兄がおり、事件当時は両容疑者と計4人で和歌山市のアパートに住んでいた。捜査関係者によると、両容疑者は県警の調べに、外出する際は流菜ちゃんの兄だけを連れ、流菜ちゃんを1人で家に残して出かけていたという内容の説明をしているという。兄の健康状態や体重に問題はみられなかった。

 県警によると、流菜ちゃんの一家は昨年に現場のアパートに引っ越してきたという。近隣住民は「両親が兄とみられる男児を連れてよく外出していた。流菜ちゃんとみられる女児は引っ越してきた当初以降、見たことがなかった」と話した。

 流菜ちゃんは死亡時、体重が2歳児平均の半分ほどの約6キロしかなく、極度に痩せ細っていた。両容疑者は「十分な食事を与えていなかった」という趣旨の供述もしており、暴行や病院を受診させなかったことについて容疑を認めているという。県警は両容疑者が流菜ちゃんの育児を放棄していたとみている。【藤木俊治、恒成晃徳】

毎日新聞

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