引越し大作戦! SLを4分割し100メートル先に移設 作業公開へ

2025/10/04 08:15 

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 山口県美祢市は10月10~12日、市立美祢図書館(大嶺町)前に展示しているC58形蒸気機関車(SL)の車体を四つに分け、約100メートル離れた市役所横の新展示場に移設する。12日は「引越し大作戦!」と銘打ち移設作業を公開する。

 このSLは1938年製のC58形36号機で、北海道や関東地方で活躍した。67年に厚狭機関区(現山陽小野田市)の配属となり、美祢線で旅客、貨物運搬を担って72年3月に引退した。子供たちにSLを通じて地域の歴史などを知ってもらおうと、分割民営化前の国鉄から借り受け、73年9月から市立美祢図書館前に展示している。

 全長約18メートルで総重量は約72トン。JR西日本のローカル線を走るキハ120系気動車(27.7トン)の2・5倍くらいの重量がある。一度に展示場に移すのは難しいため、車体を前部(運転席、ボイラー部)の上下、後部(炭水車)の上下と四つに分ける。

 今回の移設は、市役所横の河川公園のシンボルづくりが目的。12日は見学者とカウントダウン後、SLをクレーンでつり上げ、実況解説をしながら約3時間かけて移動させる。

 美祢市の担当者は「四つに分かれたSLを見る機会は一生に一度あるかどうか。ぜひ、来て楽しんでほしい」と話す。市は、引っ越しと合わせてSLの写真や模型を市民会館(大嶺町)で展示する。【杉山恵一】

毎日新聞

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