広島で養殖カキの水揚げ始まる 猛暑で例年より遅く

2025/10/20 15:27 

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 生産量日本一を誇る広島県産の養殖カキの出荷が20日、始まった。例年は10月初旬だが、猛暑による成育の遅れに加え、水揚げ期間を短くしてカキ殻の排出量を抑えるために、県内の漁協でつくる「広島かき生産対策協議会」が昨年に続いて遅らせた。

 東広島市の三津湾では午前6時過ぎ、「マルコ水産」の河野義彦さん(57)、拓也さん(31)親子が沖合のいかだに船をつけ作業を始めた。海中に下がった約10メートルのロープをクレーンで引き上げ、カキを船内に勢いよく降ろしていた。

 陸揚げされたカキは水洗いされ、従業員が一つずつ殻をこじ開け白い身を取り出していた。河野さんは「塩分濃度が高く、身の締まりが良い」と笑顔で語ったが、「例年と比べ、身が入っていないものが多い」と心配そうな表情も見せた。

 県水産課によると、2025年度のむき身の生産量は例年通り、2万トンを目指している。【武市智菜実】

毎日新聞

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