指定宗教法人の清算指針 パブコメ、旧統一教会の主張と類似目立つ

2025/10/20 17:29 

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 指定宗教法人の清算について定めた文化庁の指針には、2649件のパブリックコメント(意見公募)が寄せられた。文化庁によると信者の「信教の自由」に配慮するよう求める声が多く、現在唯一の指定宗教法人となっている世界平和統一家庭連合(旧統一教会)がウェブサイトで展開している主張と類似する意見が目立った。

 文化庁は宗教家や有識者らによる検討会を5~9月に計3回実施し、9月に指針案を公表していた。意見公募は9月6日~10月5日に受け付けた。

 文化庁によると、指定宗教法人に属する信者らの信教の自由について懸念する意見が多数を占めた。「信教の自由に配慮し、(清算法人の)宗教目的の財産は債務の弁済の原資とすべきではない」「法人の財産を清算人が管理・処分できるのは信教の自由に対する侵害だ」などが多かった。

 また、被害を申告した人の債権の有無の確認や清算の事務について、指針が「相当の期間を要する」としている点に対して、「清算期間が事実上無期限となる恐れがある」と指摘する意見もあった。

 文化庁は「清算人は清算法人に帰属する全ての財産を管理・処分する権限を有しており、清算法人の行為能力は清算目的の範囲内に制限されるため、清算事務が優先される」と説明。「寄せられた意見の論点は既に検討会で議論された」として、指針案からの変更はないとしている。【西本紗保美】

毎日新聞

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