学童補助金問題「人手足りず記録残せず」 百条委で市職員証言 栃木

2025/10/30 19:52 

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 栃木市の学校法人「陽光学園」(佐山和章理事長、7月に解散認可)に2022、23年度に交付された補助金について調べている同市議会の調査特別委員会(百条委員会)で30日、市の担当職員に対する証人尋問が始まった。

 第8回のこの日は所管するこども未来部子育て総務課の当時の部長、担当主幹、担当係長が証言した。学園から藤岡校の施設改修のための補助に関する相談、要望を受けてから交付まで、市側の検討状況を示す記録が担当課に残されていない点について、元係長は「残すべきだった」との見解を示したうえで「人手が足りず、記録を残す時間がなかった」と証言した。

 また、同校に対する補助金(支援交付金)を22年度9月補正予算案に盛り込むため、同年7月に財政部局に予算要求しながら取り下げた経緯について、元係長は「もう少し現況を確認した方が良いとの意見が財政課からあった」と説明。予算化を急がせる指示や圧力の存在については否定した。

 補助金の使途を示すため、学園が提出した添付資料に、学園宛てではなく佐山理事長(現清算人)が経営する「チャンプオート」「フジオカクリーンワークス」宛ての請求書が混じっていた点については「陽光学園で取らないといけない、と課内で話した記憶がある」「そのままで良いとは思わなかった」と証言したが、結果として看過された経緯には触れなかった。上司にあたる主幹は「今思うと、差し替えを指示すべきだった」と述べた。

 間接補助の国の交付金は市による学童保育の委託を交付要件にしているが、岩舟校は受託することなく1年で事業停止した。この点について、明確な発言はなかった。【太田穣】

毎日新聞

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