懐かしの「北陸本線」復活へ 金沢~上越妙高で直通運行 1日限定

2025/11/07 07:45 

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 2015年の北陸新幹線金沢延伸を機に分社化した新潟、富山、石川3県の並行在来線経営3社は6日、開業10周年記念として12月6日に豪華車両を使った初の直通運行を行うと発表した。懐かしの「北陸本線」の復活となる。能登半島復興支援として、売上金の3%を被災地に贈る。

 新潟県のえちごトキめき鉄道の平井隆志社長、富山県のあいの風とやま鉄道の伍嶋二美男社長、石川県のIRいしかわ鉄道の内田滋一社長の3人が、石川県庁で記者会見した。

 使用する車両は、「メイドイン新潟」を合言葉に開発・導入された観光列車「えちごトキめきリゾート雪月花(せつげっか)」号(2両編成)。9月に英国で開かれた鉄道関係デザイン賞で日本の第3セクター会社として初めて鉄道車両部門の奨励賞を受賞した。

 ルートは旧北陸本線の金沢~上越妙高(新潟県上越市)間で、午前便は上越妙高午前9時発、金沢午後1時29分着。車内では、上越市を拠点に飲食店「YAGAIYA」を経営する信田紘基氏による料理を提供。午後便は金沢午後3時50分発、直江津同7時半着で、金沢市の老舗料亭「大友楼」の料理を提供する。

 料金は、午前便が5万9800円、午後便が5万6800円で、展望ハイデッキ席(2~4人)は1グループ2万円の別料金が必要。乗客には食事のほかに3社からのプレゼントや輪島塗の箸など乗車記念品が贈られる。

 途中、主要駅に停車し、高岡駅では「万葉衣装」でのお出迎えも計画する。午前便は直江津からの乗車、午後便は帰りの新幹線の都合を考え、糸魚川下車も可能という。

 新潟の平井社長は会見で「3社で手を取り合って考えた。銀朱色の車体で窓は日本最大級。眺望を楽しんで」とアピール。富山の伍嶋社長は「北陸には多様な食の魅力がある。地域活性化につなげたい」と声を弾ませた。

 石川の内田社長も「雪月花は初の金沢乗り入れ。広域観光連携を進め、北陸のブランド力を高めていきたい」と語った。今後、福井県の「ハピラインふくい」との連携も図る。

 定員は午前、午後とも30人で、予約は10日から、えちごトキめき鉄道の予約サイトで。問い合わせは025・543・8988へ。【竹中拓実】

毎日新聞

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