名古屋城天守のエレベーター設置、議論は平行線 市と障害者団体

2025/11/08 10:15 

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 名古屋市が計画を進める名古屋城天守の木造復元を巡り、広沢一郎市長は6日、障害者団体「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」と意見交換した。大型エレベーター(EV)の設置などを求める団体側に対し、市側は史実に忠実な復元を目指して小型昇降機の設置に理解を求めるなど議論は平行線をたどった。

 広沢市長は意見交換で、EVを内部に設置した場合、天守の柱や梁(はり)を取り除く必要があり、伝統的な木造天守の建築が困難になると説明。柱や梁を傷つけない小型昇降機(車いす利用者1人、介助者1人を想定)を設置することでバリアフリーとの両立を目指すと強調した。

 これに対し、団体側は現天守には23人乗りのEVが2機あることを挙げ、木造天守でも障害者や高齢者、子どもなど分け隔てない利用ができることを要望。また、外付けEV設置の検討も求めたが、広沢市長は同等の高さの構造物が必要となり、史跡の基礎への影響などから「難しい」と説明した。

 市は今後も意見交換の場を設ける方針。【式守克史】

毎日新聞

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