鎮火の後に再燃で被害拡大 消防「火だねの確認不十分」 愛媛・今治

2025/12/12 17:02 

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 愛媛県今治市で11月に起きた住宅火災で、消火活動に当たった市消防本部が鎮火を確認した後に再び出火し、火災が拡大する事態が発生した。同本部は12日、再燃を防止する活動が不十分だったなどとする検証結果を発表した。

 同本部などによると、火災は11月23日午後11時半ごろ、同市別名の木造2階建ての住宅で発生。消防隊員が出動し、住宅の一部が焼けたが、約2時間後に鎮火したと判断。その後、隊員らは現場から引き揚げたが、鎮火から約2時間後に現場で待機していた警察官が住宅から出火しているのを発見。隊員らが再び駆けつけたが、火元の住宅は全焼し、隣接する住宅も延焼した。けが人はなかった。

 同本部は事態を重く受け止め、検証を実施。今回の検証結果では、壁の内部や天井裏、布団類など、目につかない部分に火だねが残っていないかの確認が不十分だったとした。

 また、今後の対策として、消火活動後に複数の隊員で二重チェックを徹底する▽赤外線カメラを使って目視では確認できない高温部を検出する▽再燃火災防止マニュアルを整備する――などとした。

 同本部の松木洋明消防長は「見直すべき反省点があった。今回の事案を重要な教訓とし、再発防止に向けた改善を早急に進め、消火体制全体の強化に取り組んでいく」とのコメントを発表した。【広瀬晃子】

毎日新聞

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