「おおむね妥当」 埼玉・八潮道路陥没の救助活動 検討委が中間報告

2025/12/19 21:38 

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 埼玉県八潮市で1月に発生した県道陥没事故で、初期対応や救助活動を検証する草加八潮消防組合の検討委員会(委員長・永田尚三関西大教授)は19日、中間報告書を公表した。永田氏は「難しい対応を迫られたが、おおむね妥当性を欠いたものではなかった」との見解を示した。

 永田氏は同日、組合管理者の山川百合子草加市長と副管理者の大山忍八潮市長に報告書を手渡した。

 当時は民間の重機でトラックを引き上げた。この作業について委員会は、ヘリコプターによる救助では風圧による2次災害の恐れがあったことなどを挙げ、「唯一取り得る方法だった」との見解を示した。トラックは事故翌日未明、荷台部分だけ引き上げられた。

 トラックの引き上げは複数回試みられたが、活動中にワイヤ2本が破断した。委員会では、ワイヤに問題はなく、作業員も正常に操作していたと認定。破断の原因は「瞬間的、局所的な衝撃などが考えられるが特定できない」とした。

 発生直後はクレーンで隊員をつり下げ、陥没した穴へ進入を試みた。しかし、途中で土砂が崩落し2人がけがをした。委員会では「安全に活動できる範囲外になると判明した際に中止すべきだった」とする指摘も出た。隊員の一人は現在も自宅療養中で、永田氏は「ぎりぎりの活動で無理があったのは今後の課題だ」と話した。

 委員会は追加の議論も踏まえ、最終報告書を2026年1月にまとめ、年度内に公表する方針。【増田博樹】

毎日新聞

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