借地代値上げ訴訟 37.5%増は認めず、値上げ幅圧縮 宇都宮地裁
借地の契約更新時に37・5%の賃料の値上げを求められ、拒否したところ支払いを求めて訴えられた宇都宮市戸祭2の無職女性(63)に対する訴訟の判決が宇都宮地裁であり、吉岡あゆみ裁判官は「適正継続賃料は(12・5%増の)1坪あたり月額450円」として値上げ幅を約3分の1に圧縮させる判決を言い渡した。16日の判決を受け被告の女性らが19日、記者会見し被告側弁護人の小倉崇徳弁護士は「物価高騰を口実に、家賃や地代の便乗値上げが全国的に相次ぐ中、借り主は一方的な増額に応じる必要はないこと、裁判所の判断で値上げ幅を抑えられることを示した意義のある判決だ」と評価した。
判決によると、被告女性の父は1972(昭和47)年ごろ、原告の父から土地189・15平方メートルを借りて木造2階建ての自宅を建設。その後、土地の所有者は原告男性になった。前回の賃貸借契約は2002年で、月額1坪あたり400円(月額2万2720円)の20年契約だった。
被告女性は21年2月、父の死去に伴い建物の所有権と土地の賃借権を相続した。23年6月までに、同年からの賃料を月額1坪あたり550円(同3万1570円)に変更するという通知があり、女性は値上げを拒否。ADR(裁判外紛争解決手続き)が不調に終わり、宇都宮簡裁での調停を経て、23年12月に同地裁に民事訴訟が提起された。
判決は、裁判所が実施した不動産鑑定を基に、新しい賃料との差を比較する方法、基礎価格に利回りや必要経費を加算する方法、周辺物件の賃料と比較する方法など複数の算出方法で賃料を検討。適正継続賃料を1坪あたり450円と示した。
小倉弁護士は「宇都宮市の宅地価格は24年まで30年以上連続で下落するなど、地価は02年に比べ下がっている。月額1坪あたり300円が妥当という主張が認められなかったのは残念だが、理不尽な大幅値上げにストップをかけることができた」と話した。女性は「お金も掛かることなので、控訴するかどうかは期限いっぱい考えたい」と話した。【藤田祐子】
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