名張毒ぶどう酒事件 弁護団が第11次再審請求を申し立て

2026/01/22 14:39 

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 三重県名張市で1961年、女性5人が死亡した名張毒ぶどう酒事件で、奥西勝元死刑囚の弁護団は22日、妹の岡美代子さん(96)らを請求人として第11次再審請求を名古屋高裁に申し立てた。弁護団はぶどう酒を開封した人物を争点にするとしている。

 最高裁の確定判決は、奥西元死刑囚が農薬を混入するため、ぶどう酒瓶の王冠を歯で開けたと認定している。これに対し、弁護団は現場の公民館にあった日本酒瓶の王冠が棒状の器具で開栓されたとする鑑定書などを新証拠として提出。現場にいた別の男性による「日本酒を歯で開けた」との証言は誤りで、この男性がぶどう酒を開けた可能性が高いとしている。

 第10次請求では、ぶどう酒の瓶と王冠をつなぐ「封かん紙」について、製造時と異なる市販ののり成分が検出されたとする専門家の鑑定書を出していた。今回、これを補強する実験結果も新たに提出。弁護団は真犯人が犯行現場以外の場所で紙を破って開栓し、毒物を混入後、再度のり付けして紙を貼り直したと主張する。

 事件は61年3月に発生。公民館で開かれた住民懇親会で、毒物が入ったぶどう酒を飲んだ女性17人が中毒症状を訴え、うち5人が死亡した。無実を訴えていた奥西元死刑囚は64年の1審で無罪判決となったが2審で死刑判決が言い渡され、その後、刑が確定した。

 奥西元死刑囚は2015年に89歳で病死し、再審請求は妹の岡さんが継承。第10次再審請求審は24年、最高裁第3小法廷で特別抗告が棄却され、再審が認められなかった。【塚本紘平】

毎日新聞

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