米軍、嘉手納基地でパラシュート降下訓練 県や地元は強く批判

2026/02/03 19:38 

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 米軍は3日、沖縄本島の米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)でパラシュート降下訓練を実施した。日米両政府は1996年の合意で降下訓練の実施場所を本島北部沖の伊江島(同県伊江村)にある米軍伊江島補助飛行場としたが、米軍は2023年12月以降、伊江島の滑走路の不具合を理由に、嘉手納基地で訓練を繰り返してきた。伊江島の滑走路の修復は25年12月に完了しており、米軍が今回も嘉手納基地で訓練したことに、県や地元自治体からは強い批判の声が上がっている。

 市街地に囲まれた嘉手納基地での訓練実施を、米軍は「例外的な場合」としてきた。嘉手納町の当山宏町長は「今回が『例外的な場合』に該当するのか、根拠を示してもらわなければならない。米軍の一方的な解釈で訓練を実施したのであれば、日米合意は意味をなさない。厳格に運用してもらわないと地域住民の生活を守れない」と批判した。

 嘉手納基地の米空軍第18航空団は取材に「伊江島は気象や海象、その他の運用上の理由により利用が制限される」と説明。伊江島が使用できない場合や任務の要件を満たさない場合には、嘉手納基地を使い続ける考えを示した。

 3日の訓練では午後0時55分ごろ以降、米兵が上空の米軍機から飛び降りて、次々とパラシュートで嘉手納基地に着地した。関係者によると、35人が降下したとみられる。多くの米兵が住宅地の上を横切って基地に降りた。

 降下訓練はかつて本島中部の米軍読谷補助飛行場(06年に全面返還)で実施されたが、基地外に落下する事故が相次いだため、日米両政府は96年に合意した日米特別行動委員会(SACO)最終報告に基づき、訓練場所を伊江島補助飛行場に移転した。

 しかし、米軍は「伊江島の滑走路が劣化し、訓練用の大型機が安全に離着陸できない」として、23年12月から25年12月まで19回にわたって嘉手納基地で降下訓練を実施してきた。今回の訓練実施を受け、玉城デニー知事もコメントを出し「SACO最終報告の趣旨を無視するもので到底受け入れられず、極めて遺憾だ」と抗議した。

【比嘉洋、喜屋武真之介】

毎日新聞

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