「起こるべくして起きた」と裁判長も批判 伊勢崎3人死亡事故
群馬県伊勢崎市の国道でトラックを飲酒運転し、家族3人を死亡させる事故を起こしたなどとして自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)に問われた同県吉岡町の元トラック運転手、鈴木吾郎被告(71)の裁判員裁判の判決で、前橋地裁は13日、危険運転の成立を認め、求刑通り法定刑の上限の懲役20年を言い渡した。
高橋正幸裁判長は「常習的に飲酒運転を繰り返す中で起こるべくして起きた事故。幼児を含む3世代の尊い命を失わせた結果は極めて甚大」と批判した。被告は飲酒運転を否定し、弁護側も過失運転にとどまると主張していた。弁護側は判決後に「控訴などについて被告と協議したい」と述べた。
判決によると、被告は2024年5月6日午後4時15分ごろ、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態でトラックを運転し、中央分離帯を乗り越えて対向車線にはみ出し、乗用車と衝突。乗用車を運転していた前橋市の会社員、塚越寛人さん(当時26歳)と長男の湊斗ちゃん(同2歳)、塚越さんの父で同県渋川市の会社員、正宏さん(同53歳)を死亡させ、別の車を運転していた50代女性にも軽傷を負わせた。
判決は、運転前の勤務先の検査で被告からアルコールは検出されなかったのに、事故後の車内から220ミリリットルの焼酎の空き容器2本が見つかったと指摘。事故の約2時間後、病院での採血で被告の血中からアルコールが検出されていることから、「被告は検査から事故までの間に焼酎を飲んだ」と判断した。
また、法医学者の法廷での証言から、血中のアルコール濃度は少なくとも1ミリリットル当たり1・4ミリグラムだったと認定。酒気帯び運転の基準の5倍近い数値で、被告は注意能力や判断能力が著しく鈍っており、危険運転の適用要件の「アルコールの影響で正常な運転が困難な状態」を満たすと結論付けた。
量刑理由では、今回の事故以前にも飲酒運転があったことに触れ、「飲酒をしたいという身勝手な欲望のまま運転した。刑を減じる事情があるとは評価できない」と非難した。【加藤栄】
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