大津・保護司殺害 被告「新庄さんに恨みなく、たまたま利用した」
2024年5月に大津市の民家で保護司の新庄博志さん(当時60歳)を殺害したとして、殺人と公務執行妨害罪、銃刀法違反に問われた大津市の飯塚紘平被告(36)は18日、大津地裁(谷口真紀裁判長)で開かれた裁判員裁判の被告人質問で「新庄さんへの恨みは一切ない。(国へ)不満をぶつけるのに、たまたま利用した」と供述した。
検察側は前日の初公判で、被告が職に就けないことに不満を増大させ、政府に責任を転嫁し、保護観察制度を攻撃して政府に報復したいと考えるようになったと動機を説明していた。
18日に始まった被告人質問で、被告は、事件を起こす約2カ月前に「知事を殺害する妄想をしていた」と明かした。国の代わりになる報復先を探していた被告にとって、自身が住む滋賀県の代表である知事は不満をぶつける対象として最適にみえたという。
しかし、知事の居場所が分からず、近づくこともできないことから、妄想で終わると思っていたところ、被告が「守護神様」と称する心の声が聞こえ、「保護司なら現実的にいけるで」とひらめきを与えてくれたと説明。迷いはあったものの「負け犬になるわけにはいかない」という気持ちで事件を起こしたと述べた。
被告にとって保護司との面談は「国が管理する場」だったといい、面談中に事件を起こせば「国が問題の改善を迫られるのではないかと思った。私のイライラや不満がすっきりする」と考えたとした。
切りつけではなく、殺害までした理由については「保護司を切りつけるだけだとそんなに大きなことにはならない」とし、保護司への思いを問われると「保護司とのやりとりは茶番。やり過ごすもの」と語った。
18日は被告の精神鑑定を担当した医師が検察側証人として出廷した。医師は、被告が新庄さんを「抑圧的で、日本の制度の手先」と捉えていたと指摘し、被告が言う守護神様については「自分の考えていることが外から聞こえているような体験をしている」と解説した。【礒野健一、菊池真由、飯塚りりん】
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