「女優」でAV出演の男性に和解金 引退後に違法販売、作品も回収へ

2026/02/26 18:47 

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 引退後もアダルトビデオ(AV)を違法に販売されたとして元出演者が、東京都内のAV製作会社に損害賠償や販売差し止めなどを求めた訴訟で、元出演者の代理人弁護士は26日、東京地裁で和解が成立したことを明らかにした。製作会社が新たに出演作品を販売しないことを約束し、既に流通した作品を回収して元出演者に和解金(金額は非公表)を支払う内容。

 原告はタレントの大島薫さん(36)。戸籍上も自認する性も男性だが、「女優」として複数の作品に出演し、2015年5月に引退した。しかし、引退後も販売が継続され、製作会社に差し止めを求めたが応じなかったため、人格権の侵害に当たるとして23年に東京地裁に提訴した。

 代理人の伊藤和子弁護士によると、和解は24日付で、製作会社が作品の著作権を第三者に譲渡しないことや、大島さんが違法に流通した作品を見つけた場合には製作会社に代わって削除要求できる権限を持つことも盛り込まれた。22年6月に施行されたAV出演被害防止・救済法の趣旨に沿った内容となっている。

 大島さんは「和解は、出演作品を差し止めたいと思いつつ、二の足を踏んでいる人が踏み出すきっかけとなるはずだ」と期待した。伊藤弁護士は「法律施行前の出演者に対しても、きちんと個人の尊厳、権利が認められた和解で意義がある」と語った。【安元久美子】

毎日新聞

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