奈良・東大寺の大仏開眼会に関する記録か 平城京の南端近くから木簡
奈良・東大寺の大仏開眼会が行われた天平勝宝4(752)年4月の年月が記された木簡が、奈良市杏町(からももちょう)の平城京の寺跡から出土した。26日発表した県立橿原考古学研究所(橿考研)は「開眼会に集まった1万人の僧侶には聖武天皇からお布施が与えられており、その記録の可能性がある」としている。
京奈和道大和北道路建設に伴う2025年度調査で、平城京南端近くの中小寺院・惣毫寺(そうごうじ)跡の約6000平方メートルを発掘した。木簡は井戸跡から出土し、二つに割れているが、合わせて長さ14センチ。裏に「天平 寶(宝)四年四月」、表に「佛(仏)四升」「五升已」と書かれている。「升」は米や塩の単位のため、お布施などの物品の授受記録とみられる。
また井戸跡からは銅製の押出仏(おしだしぶつ)(長さ8センチ、幅3・5センチ)も出土した。1枚の銅板の上下に2体の仏像があしらわれ、表面には金箔(きんぱく)も残っていた。押出仏は型に載せた銅板をつちでたたいて大量生産する仏像で、飛鳥時代から奈良時代に寺院の壁面装飾に使われた。斑鳩・法隆寺の国宝・玉虫厨子(ずし)を飾る押出仏が有名だ。
現場は平城京の「左京八条一坊十坪」にあたる。平城京の区画単位「坪」(130メートル四方)の二つを敷地にした寺院とみられ、地名から惣毫寺跡とされている。発掘では基壇跡とみられる瓦敷き遺構や渡り廊下跡などが見つかっているが、現場は埋め戻されている。
担当の岩崎郁実・主任技師は「現場は平城京南端で、土地利用は分からない点が多い。開眼会に関連しているとみられる木簡や金箔の押出仏から、この地にも天平文化が及んでいたことが想像できる」と話している。【皆木成実】
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