大津・保護司の男性殺害 被告に無期懲役判決 大津地裁

2026/03/02 15:34 

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 2024年5月に大津市の民家で保護司の新庄博志さん(当時60歳)を殺害したとして、殺人と公務執行妨害罪、銃刀法違反に問われた大津市の飯塚紘平被告(36)の裁判員裁判で、大津地裁(谷口真紀裁判長)は2日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。

 起訴状によると、被告は24年5月24日夜、新庄さんの自宅で、新庄さんの胸や首をナイフとおので複数回突き刺し、出血性ショックで死なせたとされる。

 被告は過去のコンビニ強盗で保護観察付き執行猶予判決を受け、19年7月から新庄さんが担当保護司として月2~3回程度の定期面談を重ねていた。

 事件当時も2人で面談中だった。

 公判では、被告の刑事責任能力の有無が争われた。

 検察側は論告で、被告が事件前に新庄さん宅周辺を下見し、犯行直前には緊張のあまりトイレに入り、犯行後には計画通り逃亡したと指摘。事件は非常に計画的で、被告は正常な精神状態にあり、刑事責任能力を疑わせる事情は一切ないとした。

 その上で、動機について考察。就職の失敗を国のせいにした被告が国に打撃を与えるため、恨みのない保護司を殺害したとし「極度の反社会的犯行だ」と非難した。

 さらに、新庄さんの遺体には少なくとも22カ所の傷があり、被告は新庄さんの制止を意に介さず殺害行為を実行したと言及。事件は保護司制度の存続に重大な悪影響を及ぼしていて社会的影響は大きく、更生の可能性も期待できないと述べた。

 弁護側は最終弁論で、被告が「守護神様」と称する心の声と対話しながら犯行に及んだことについて「何らかの精神疾患によって行動を制御できず、責任能力がないか、心神耗弱状態にあった」と反論した。

 押収されたノートや携帯電話のメモを見ると、被告が守護神様を長年信じていたことを疑うことはできず、事件と無関係とは言えないと主張。「(被告の)生まれながらの特性で本人を強く責められない」として、有期刑が妥当だとした。【礒野健一、菊池真由】

毎日新聞

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