「天空の石棺」そばに通路 築造実態解明に成果、大和郡山・割塚古墳

2026/03/11 17:15 

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 奈良県大和郡山市は11日、古墳時代後期(6世紀前半)の円墳「割塚古墳」(千日町)で、石棺が置かれた玄室の奥壁の背面で通路などを確認したと発表した。市によると、石室の外の調査自体が珍しく、同様の背面通路確認は市尾墓山古墳(高取町)に次いで2例目。通路の性格や役割は不明だが、横穴式石室の構築技法やこの時代の古墳築造の実態を解明する上で貴重な成果という。市は現地説明会を15日午前11時~午後3時半に開く。現地に駐車場はない。

 古墳は富雄川を望む矢田丘陵東縁部に単独で築造された。宅地開発に伴い、県立橿原考古学研究所が1968年に発掘調査し、その後、公園として整備された。墳丘の一部崩落に伴い市が2020年度から調査。24年度の調査で、公園内で成形された墳丘(高さ約10メートル)の頂上部から良好に残る石棺が確認され、住宅地に浮かび上がる「天空の石棺」のような姿が注目された。

 今年度の調査は2月から実施。玄室奥壁背後から石積みを伴う通路(3・5メートル、幅1メートル)を確認した。市尾墓山古墳(6世紀初頭築造)の背面通路は石棺の蓋(ふた)を搬入するためと推察されているが、割塚古墳の通路幅は石棺の幅1・4メートルより狭いという。

 市の担当者は「公園造成などにより不幸にも壊されたことで背面構造が見られる極めて貴重なケース。通路は、石室完成時に塞がれて外からは見えず、機能しなくなる。石室を構築する際か埋葬の際、あるいはその両方で必要だったと考えられる」と話している。

 市は20年度からの一連の調査を終了し、26年度は調査報告書を作成する。今後は、極めて珍しいロケーションで良好に残る石棺などをどう保存し、活用するかが注目される。

 15日の説明会では、担当者が午前11時から1時間ごとに説明する。問い合わせは市まちづくり戦略課文化財保存活用係(0743・53・1151)。【熊谷仁志】

毎日新聞

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