過去最大規模の石油備蓄放出、IEAが提案 22年以来 米報道
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は10日、エネルギー消費国で構成する国際エネルギー機関(IEA)が緊急会合を開き、過去最大規模の石油備蓄の協調放出を加盟各国に提案したと報じた。米・イスラエルとイランの交戦でホルムズ海峡が事実上の封鎖状態となるなか、大量の石油を市場に供給し、高騰した原油価格を引き下げる狙いがある。
報道によると、IEAは11日に石油備蓄の放出を決める見通し。ただ、加盟国が1カ国でも反対すれば、協調放出の計画が遅れる可能性がある。放出量は2022年に実施した計1億8200万バレルを上回る規模となる見込みだ。
IEAによる協調放出が実現すれば、ロシアがウクライナを侵攻した22年以来となる。日本は当時、計2250万バレルの石油備蓄を放出を決定した。
石油備蓄の放出を巡っては、主要7カ国(G7)も議論を進めている。今月10日のエネルギー担当相会合では、G7として協調した対応をとる方針で一致した。11日には首脳会議も開催し、イラン情勢などを議論する見込みだ。
ホルムズ海峡は世界の原油供給量の約2割が通過する海上輸送の要衝。現在はイランの攻撃や機雷被害に遭う事態を恐れ、船舶が通れない状況が続いている。世界的な供給不安で原油価格が高騰している。
戦闘の長期化リスクが強まったことで、ニューヨーク原油先物市場は指標となる米国産標準油種(WTI)が米東部時間8日夜に急騰。1バレル=100ドルの大台を突破し、一時119ドル台を付けた。
IEAは協調放出でまとまった石油を市場に投入することで混乱を鎮め、原油価格引き下げを図る。
WSJによると、IEA加盟国は12億バレルの公的備蓄と6億バレルの産業用備蓄を保有している。計18億バレルの石油備蓄量は湾岸諸国からの供給量の約124日分に相当するという。【ワシントン浅川大樹】
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