技能実習生の女性、死産した乳児をごみ箱へ 最高裁も死体遺棄と認定

2026/03/11 17:11 

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 死産した乳児の遺体をごみ箱に遺棄したとして死体遺棄罪に問われたベトナム国籍の技能実習生、グエン・テイ・グエット被告(22)の上告審で、最高裁第2小法廷(三浦守裁判長)は9日付で、無罪を主張していた弁護側の上告を棄却する決定を出した。懲役1年6月、執行猶予3年の有罪とした1、2審判決が確定する。裁判官4人全員一致の判断。

 最高裁は2023年3月、死産した双子の遺体を遺棄したとして死体遺棄罪に問われた別のベトナム人元技能実習生の女性に対し、1、2審の有罪判決を破棄して逆転無罪判決を言い渡した。この際に同罪に当たるのは「習俗上の埋葬とは認められない態様で遺体を放棄または隠す行為だ」との判例を示した。小法廷は今回の事件は判例違反などの上告理由に当たらないとしており、出産後の行動の具体的内容によって罪に問われるか判断が分かれた。

 1、2審判決によると、グエン被告は24年2月、福岡市博多区のアパート一室で、出産した男児の遺体をごみ箱に遺棄した。1審・福岡地裁(25年3月)は「遺体を丁重に扱い、尊崇の念を持って弔うこととかけ離れた行為だ」と罪の成立を認め、2審・福岡高裁(25年11月)も支持した。

 これに対し、23年に逆転無罪となった女性は遺体をタオルに包み、おわびの言葉を記した手紙とともに二重の段ボール箱に入れてテープで封をして棚に置いていた。最高裁は「埋葬と相いれないとは認められない」と結論付けた。

 技能実習生を巡っては、受け入れ先に妊娠が発覚して帰国させられることを恐れて、自力での赤ちゃんの出産や遺棄に至るケースがあり、支援団体などが救済の必要性を訴えている。【三上健太郎】

毎日新聞

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