教職課程ある大学、性暴力防止の授業なし14% 「義務知らない」も

2026/03/16 17:00 

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 教職課程がある全国819大学のうち14%にあたる111大学で、子どもへの性暴力防止のための取り組みが実施されていないことが16日、文部科学省の調査で判明した。法律で義務づけられた取り組みが教員養成の現場で徹底されていない実態が浮かんだ。

 2022年度施行の「教員による児童生徒性暴力防止法」は、教職課程のある大学に対し、子どもに対する性犯罪の防止や早期発見に関する授業などを教員を志望する学生に受けさせるよう義務づけている。

 調査は25年11月~26年2月、教職課程がある全ての国公私立大を対象に実施。こうした授業などの有無を尋ねたところ、全体の75・6%にあたる619大学は授業で関連する内容を扱い、10・9%の89大学は授業ではないものの説明会やセミナーを実施していた。

 一方、13・6%にあたる111大学では取り組みがなく、このうち23大学では今後1年以内に実施予定もないと回答。担当できる教員がいない、法律上の義務であることを知らないといった理由が挙がったという。

 文科省は「重く受け止めている。法に基づいた義務をしっかり履行してもらえるよう周知徹底を図る」とし、専門的な教員がいない場合でも使える動画教材の活用を促す。

 大学が教職課程を設置するには文科相による認定が必要。中央教育審議会は今後、認定基準を見直し、性暴力防止に関する取り組みを認定の条件とする。適切に実施しない大学の認定取り消しも想定している。

 このほか、過去に子どもへの性暴力によって教員免許を失効した人物の情報を登録したデータベースを活用していない自治体や学校法人などについて、改善が見られない場合は名称を公表する。

 児童生徒性暴力防止法に関する基本指針も改正し、25年に発覚した教員による盗撮動画共有事件を踏まえ、教室の定期点検や整理整頓、学校備品のカメラで撮影した写真データの管理ルール作りなど盗撮対策の強化を明記する。【斎藤文太郎】

毎日新聞

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