再審見直し法案が衆院審議入り 冤罪救済、高市首相答弁の見通し

2026/05/26 13:40 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 確定した刑事裁判をやり直す再審制度見直し法案が26日、衆院本会議で審議入りした。1948年の刑事訴訟法制定から制度は一度も変更がなく、政府は再審請求審での証拠開示の義務化や再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(抗告)の原則禁止などで制度の改善を目指す。今国会の「重要広範議案」の一つで、高市早苗首相も答弁に立つ見通し。

 平口洋法相は法案の趣旨説明で、検察官抗告により審理が長期化しているとの指摘を踏まえて「制度や運用の在り方に大きな反省を迫るもので、真摯(しんし)に受け止める。反省、改善すべき点について速やかに手当てを講じる必要がある」と述べた。

 中道改革連合とチームみらい、共産の野党3党が提出した対案も並行して審議される。3党は「冤罪(えんざい)救済の観点で政府案は不十分」との立場。対比する形で審議を進め、政府案の修正につなげたい考えだ。

 政府案は、再審開始決定に対する検察官抗告を原則禁止にする一方、「十分な根拠」がある場合は抗告を可能とした。閣議決定前は現行制度を変えずに検察官抗告を全面的に認める内容だったが、自民党の事前審査で「過去の冤罪事件への反省がない」などと法務・検察への批判が相次ぎ、制限を強める方向に修正された。

 現行制度ではルールが明文化されていない再審請求審の証拠開示について、「再審請求の理由と関連する証拠」について裁判所が相当と認める時は検察官に提出命令を出すことを義務化する。検察官も開示義務を負う。開示証拠を元被告側が再審手続き以外で使用することを罰則付きで禁じる規定も設ける。

 野党3党の対案は、検察官抗告の全面禁止や、より幅広い証拠開示を求める内容になっている。開示証拠の再審手続き以外への使用も制限していない。

 対案は、冤罪被害者のための再審制度見直しを求める超党派の議員連盟の案に基づく。議連には自民や日本維新の会の議員も参加しており、与党内にも更なる修正を期待する声がある。【巽賢司、岩本桜】

毎日新聞

社会

社会一覧>