「見える収蔵庫」など新設 宮城県美術館がリニューアルオープン
約3年間のリニューアル工事を終えた宮城県美術館(仙台市青葉区)が、6月20日に再オープンする。庫内の収蔵品をガラス越しに鑑賞できる「見える収蔵庫」などが新設されたほか、エレベーターの向きを変えたり中庭にスロープを設置したりとバリアフリー化の推進にも取り組んだ。
同美術館は施設の老朽化や美術館に求められるニーズの変化に対応するため、2023年6月から休館していた。
紫外線やカビなどによる劣化や盗難、災害などから作品を守る収蔵庫は、通常は関係者しか立ち入ることができず、壁などに囲われ内部を見ることができない。今回新設された「見える収蔵庫」は、壁の一面がガラス張りになっており、開館中はいつでも無料でラックに掛けられた絵画などを見ることができる。
学芸員の加野恵子さん(56)が米ニューヨークのブルックリン美術館など同様の収蔵庫を持つ施設に調査に赴き、参考にしたという。現在は、画商で美術評論家の洲之内徹(1913~87)が集めたコレクションの油彩画約80点などを展示している。加野さんは「国内の美術館としては先駆的な取り組み。作品の収集・保存という美術館の重要な役割の一つを知ることができる」と話した。
子どもたちが裏紙や段ボールといったリサイクル資材などを使って絵を描いたり工作をしたりすることができる「キッズスタジオ」も新設。主に未就学児を対象にした「えほんのへや」も併設し、約850冊の絵本を自由に読むことができる。
展示室は2室増設した。主に戦後の絵本原画を展示する展示室5には、スライド開閉の引き出し型展示ケースを設置。作品を劣化の原因となる光にさらし続けないようにして、保存と公開を両立した。「アート・ラウンジ」では、デジタル端末で絵画などの収蔵品の高精細画像を鑑賞できるほか、美術に関する書籍を読むことができる。
浜崎礼二副館長は「これまでにあまりなかったことに挑戦した。わくわくした気持ちで来館してほしい」と話した。【岩田優希】
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