池田小事件25年 混乱した救急対応、残した教訓
児童8人が殺害され、15人が重軽傷を負った大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)の乱入殺傷事件から6月8日で25年になる。事件は、学校の「安全神話」を揺るがすとともに、救急体制のあり方にも大きな課題を投げかけた。
当時、池田消防署で救急隊長を務め、先発隊として現場に向かった男性(68)は取材に対し、「25年が経過する今も、当時の対応が正しかったのか答えがでない」と苦しい胸の内を語った。
事件は2001年6月8日に発生。当時37歳の宅間守元死刑囚=04年に執行=が校内に乱入し、包丁で児童らを次々に襲った。1年生の男児1人と2年生の女児7人が死亡し、児童13人と教員2人が重軽傷を負った。
当時の救急対応を検証した千里救命救急センター(大阪府吹田市)の元センター長、甲斐達朗医師(75)は「現場で指揮系統が十分に機能しなかった」と課題を指摘する。
事件では地元消防のほか、近隣自治体の消防も応援に駆けつけ、負傷者の搬送にあたった。
現場が混乱し、情報が交錯する中で最初に校内に入ったのは応援の他自治体の救急隊だった。
地元消防が周辺での対応に追われたため指揮系統が不明確になり、負傷者がどの医療機関に搬送されているのかなど情報共有が不十分だったという。治療の優先度を決めるトリアージにも支障が出た。
この教訓を踏まえ、自治体の枠を超えた消防や医療機関によるシミュレーション訓練や勉強会が進められてきた。甲斐医師は「池田小事件は組織間の連携を考え直す、大きな契機となった」と振り返った。【北村秀徳】
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