<リンクサイド>羽生結弦さん「未来に歩きたいと思える瞬間だったら」 ファンに思い

2025/02/09 21:47 

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 フィギュアスケート男子で冬季オリンピック2連覇を果たし、現在はプロスケーターとして活躍する羽生結弦さんが手掛けるアイスショーの全国ツアー「Echoes of Life(エコーズ・オブ・ライフ)」の千秋楽公演が9日、千葉県船橋市のららアリーナ東京ベイであった。予定した演目を滑り終えた羽生さんは、アンコール前に氷上で感極まりながらファンへの感謝や今回のツアーに懸けた思いなどを口にした。主な言葉は次の通り。【倉沢仁志】

 ◇「生きるきっかけに」

 エコーズ、(演じた)「ノバ」を見送ったなというような気持ちでおりますが。本当に全魂を込めて、滑らせていただきました。

 この物語には……、僕は本当にスケートで表現する方が得意なので、日本語で表現するのがとても難しいなと思うのですが。僕の根源ですけど、常にみんなが生きていることって、とても自然で、とっても奇跡的なことで。運命に翻弄(ほんろう)される人も、運命を信じ続ける人も、そんな未来を望み続ける人も、いっぱいいる世の中で、どうか、どうか、ちょっとでも、この「今」という瞬間を生きているんだっていうことを、ちょっとでも感じてほしいし。

 みんな思ってるよりも、みんな強いんだよって、強く生きてるんだよっていうことを、祈りと共に言葉とスケートでしたためたストーリーです。

 もうエコーズは終わっちゃうけれども、どうか皆さんの中で、少しでも今日が、このストーリーが、僕のスケートが、映像が、演出が、そして(ダンサー出演の)イレブンプレイさんのダンスが、ちょっとでも未来に歩きたいって思える瞬間だったら良いなと思っております。

 苦しいこともたくさんあるし、人生きれい事ばかりじゃないことは皆さんが一番よくわかってらっしゃると思います。突然の苦しいこととか、突然、希望が失われたりとか、そういうことってこの世の中たくさん、たくさんあるんだと思います。

 それでも皆さんはここにいて、これを見て、これを聞いていて……。そんな瞬間は絶対に細胞自体は生きているし、絶対にこれからも生きたいって動き続けてくれるので。どうか信じて受け止めて、進んでやってください。

 これからもエコーズが皆さんの人生にとって生きるきっかけになったらうれしいなと思っています。本当にありがとうございました。

毎日新聞

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