大の里、Vと横綱に王手 幕下で実績が上の伯桜鵬に地位の差示す

2025/05/23 05:30 

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 ◇大相撲夏場所12日目(22日、東京・両国国技館)

 ◇○大の里 はたき込み 伯桜鵬●

 綱取り大関が、いよいよ4回目の優勝と横綱昇進に王手をかけた。大の里は初顔の伯桜鵬を降し、初日からの連勝を自身初の「12」に伸ばした。

 立ち合いはもろ手で突いて、今場所好調の伯桜鵬の体を起こした。ここから、体を右に開いてのはたきに、相手は土俵下まで転がり落ちた。出足が自慢の相手の当たりを、しっかり受け止めた上での白星に、大の里は「落ち着いていて良かった。相手は見えていた」と言葉少なに振り返った。

 スピード昇進が注目される大の里だが、各段優勝の経験はない。日体大でアマチュア横綱などに輝き、幕下10枚目格付け出しで2023年5月の夏場所で初土俵を踏んだが、この場所は6勝1敗で幕下優勝は逃した。翌場所は4勝で幕下通過には2場所かかった。十両は2場所で通過し、いずれも12勝したが、優勝はしていない。

 対して、伯桜鵬は鳥取城北高で2年連続で高校横綱に輝き、22年は実業団横綱となった。大の里より2場所前に幕下15枚目格付け出しで初土俵を踏むと、いきなり7戦全勝で幕下優勝し、昭和以降最速の幕下1場所通過を果たした。

 幕下時代の実績や注目度は、伯桜鵬の方があった。そんな3歳下の相手に、大の里が現在の地位の差を見せつける形になった。

 結びでただ一人、2敗で追っていた豊昇龍が敗れた。その一番を勝ち残りの土俵下で見届けた大の里。勝てば大願が成就する13日目に向けては、「自分のことだけを考えて、頑張る」。力士人生を左右する一番に臨む。【飯山太郎】

毎日新聞

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