電光掲示板が物語った今季の阪神の強さ 「ワンチャンス」をものに

2025/09/06 23:05 

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 ◇○阪神4―1広島●(6日・甲子園)

 甲子園の電光掲示板が、今シーズンの阪神の試合内容を物語った。得点と安打数が横並びでともり、四回まで広島が7安打で1点に対し、阪神は1安打で1点。阪神が、自滅の相手にもらったチャンスから、さらりと追いつき、突き放し、優勝へ王手をかけた。

 三回まで阪神は無安打で1点を追う展開だった。四回1死から、中野拓夢が敵失で出塁し、二塁へ。さらに森下翔太が四球で一、二塁。4番・佐藤輝明が右前打を放ち、二塁走者の中野が俊足を生かして本塁を踏んだ。

 わずか1安打で同点とし、佐藤は「ワンチャンスで同点にできたのは良かったです」と話した。その後も阪神は、四球を絡めたり、敵失があったりしながら得点を重ねた。

 一方、広島は三回無死一、二塁から一つ前の塁へ走者を進めることすらできず、四回は無死一、三塁から追加点を奪えなかった。残塁の多い相手と対照的な阪神の攻撃だった。

 選手会長の中野拓夢は「相手はヒットが多くても点につながらない中、流れ的につながればこっちが優位。しっかり少ないヒットで得点を重ねられるのはチームとしていい攻撃ができている」と振り返った。

 裏を返せば自滅しない。それが今季の阪神の強さの一つだ。優勝へのマジックナンバーが「1」となり、中野は、こう話した。

 「いつも通りの野球ができたらいいかなと思います」。これまでの戦い方を全うする。【荻野公一】

毎日新聞

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