「勝ちにいった」注文相撲 辛くも2敗を守った豊昇龍 秋場所

2025/09/27 20:35 

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 ◇大相撲秋場所14日目(27日、東京・両国国技館)

 ◇○豊昇龍 はたき込み 若隆景●

 連日、満員札止めの館内が、ため息に2度包まれた。まずは琴桜の休場により、大の里が戦わずして勝ち名乗りを受け、1敗を守った時。そして結びの一番で、2敗で追う豊昇龍が注文相撲で若隆景を辛くも降した時だった。

 豊昇龍は「今日は勝ちにいきました」。立ち合いでいきなり右に大きく跳んではたいた。横綱の奇襲に、目標を失った若隆景は何もできずにばったりと土俵にはった。右差し左おっつけが持ち味の相手に、狙い澄ました変化がはまった。

 師匠の立浪親方(元小結・旭豊)はこの日の取組前、「腰が痛いとは言わないけど……。仕方ない。頑張るしかない」と話した。愛弟子は場所前の今月9日、ぎっくり腰になっていた。豊昇龍は幕内で自身最長の11連勝を初日から飾ったが、腰に不安を抱える中、12日目、13日目と連敗を喫した。

 結びに熱戦を期待した館内も興ざめの取り口に、八角理事長(元横綱・北勝海)は「(豊昇龍の)必死さでしょう」。ただ、琴桜の休場で横綱と大関の一番がなくなったことを踏まえ、「今日来たお客さんに申し訳ない」とも付け加えた。

 大の里の不戦勝について、豊昇龍は「気にしないで、しっかり集中してやろうと思った」。1月の初場所以来、4場所ぶりの賜杯を手にするには、千秋楽の本割、優勝決定戦で大の里に連勝することが必要だ。横綱初優勝に望みをつないだ豊昇龍は「残り一番、集中して頑張りたい」。【飯山太郎】

毎日新聞

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