吉田雪乃「スイッチ入った」 スピードスケート全日本500m大会新

2025/12/26 20:23 

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 ◇スピードスケート全日本選手権(26日、長野・エムウェーブ)

 ◇女子500メートル 吉田雪乃(寿広)=1位、37秒36

 スタート直前に「体のスイッチが入った」。前日は浮かない表情を見せた吉田雪乃が、大会新記録の滑りを見せ、地力の高さを示した。

 最初の100メートルから、同組の高木美帆を上回る10秒40の好タイムで通過した。ペースを維持して最後の直線に入ると、さらに加速してフィニッシュ。2019年に小平奈緒さんがマークした37秒55の大会記録を塗り替え、笑顔でスタンドの観客に手を振りながらリンクを1周した。

 盛岡市出身の22歳。昨年11月にワールドカップ(W杯)で初優勝するなど昨季は2勝を挙げた。今季もW杯第4戦を制するなど好成績を残し、26年ミラノ・コルティナ冬季オリンピック代表に内定。「(既に代表に)内定して調子乗ってんじゃねえって思われないように」と、あえて自身に重圧をかけて全日本選手権に臨んだ。

 実は開幕直前になっても体が思うように動かなかったという。スケート靴のブレード(刃)も、W杯より前に使っていたものに戻したが「しっくりこない」。前日の試合会場での練習後には「今季で一番、調子が悪い」と吐露していた。

 それでも海外で緊張感のあるレースを繰り返し、本番で無意識に集中力を高められるようになった。「そこが(自身の)強みとして出てきた」と成長を実感する。

 2種目での五輪出場を狙い、27日の1000メートルにも出場予定。「上には上がたくさんいる。行けるところまでしっかり伸ばしていきたい」。さらなる弾みをつけたい。【森野俊】

毎日新聞

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