奮闘物語る緑色 大阪桐蔭「究極の局面」で見せた粘り 高校ラグビー
◇全国高校ラグビー大会準々決勝(3日・東大阪市花園ラグビー場)
◇○大阪桐蔭(大阪第3)14―7国学院栃木●
後半35分、タッチライン際で大阪桐蔭のスクラムハーフ(SH)福島悠右はタックルを敢行した。懸命に右手を伸ばし、ボールに指をかける。相手の懐からこぼれた球を味方が拾って蹴り出し、試合終了。堅固な「白い壁」となった大阪桐蔭の選手たちを歓声が包んだ。
後半26分に勝ち越しトライとゴールで14-7とリードしたが、その後は防戦一方。自陣で国学院栃木の波状攻撃を受け、我慢の時間が続いた。
だが、チームの意思はぶれなかった。走力のあるバックス陣を擁する国学院栃木が展開してくるのは織り込み済み。中央付近の防御に労力をかけ、外で前進されても懸命に戻り、決定機を作らせないことを意識した。
ラストプレーは大外でパスを受けた相手選手に対し、主将のセンター(CTB)手崎颯志が体を投げ出すようなタックルで前進を止め、さらに複数人が押し寄せたもの。球出しが遅れたところを福島が仕留めた。
「相手が大外に持ってくるのは分かっていた。最後のタックルは僕だけど、全員が頑張った結果」と福島。「配球役」のポジションだが、大阪桐蔭の背番号9は体も張れる。反則も許されない究極の局面で3年生はやるべきことを全うした。
前回大会は優勝候補の呼び声が高かったが、準々決勝で桐蔭学園に敗れた。タレントぞろいだった当時のメンバーに対し、今季の選手たちは泥臭く働き続けられるのが強みだ。
手崎は「練習から本当にめちゃくちゃ走ってきた。どこが相手でも走り負けない自信がある」と言う。チームが大切にする屈強な体格に加え、豊富な運動量が高いディフェンス力を支えている。
3回戦はFW陣が踏ん張り、バックス陣は「この試合のキーは自分たちだ」と燃えていたという。試合後、取材を受ける選手たちの白いジャージーには花園の芝生の緑がにじんでいた。それが彼らの奮闘ぶりを物語っていた。【石川裕士】
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