高校ラグビー三重県大会決勝で反則見逃し 審判のインカム不具合
昨年11月に行われた第105回全国高校ラグビーフットボール大会三重県大会決勝の四日市工―朝明戦で、主審と副審をつなぐインカム(無線による通信機器)の不具合により、勝敗を左右しかねない反則が見逃されていたことが、毎日新聞社の取材で分かった。試合はラスト1プレーで四日市工が同点トライ、逆転のゴールを決め、花園ラグビー場での全国大会に出場した。
決勝は11月3日、鈴鹿市の三重交通Gスポーツの杜鈴鹿で、30分ハーフで実施。問題は、朝明が22―17とリードしてロスタイムに入った後半31分の最後のプレーで起きた。
朝明陣内の四日市工ボールのモールで、ボールを前に落とすノックフォワードの反則があった。主審の見えない位置だったが、副審が気付いてインカムとシグナル(ジェスチャー)でアピール。しかし、インカムが何らかの理由で切れており、ジェスチャーによるアピールも伝わらなかった。
その後、こぼれたボールを朝明が左へ展開したが、パスが乱れてバウンドしたボールが四日市工の選手の胸に納まり、そのまま中央にトライ。ゴールも決まって朝明が22―24で逆転負けし、14大会連続の花園出場を逃した。
朝明の関係者によると、試合後に選手たちの間で「相手にノックフォワードがあった」という声が上がり、報道関係者からも同様の指摘があったという。
また、SNSでも「誤審だ」という投稿があったことから、朝明側が意図せぬ情報を拡散させないためにも検証してほしいとする意見書を県ラグビー協会に提出した。
協会は主審や副審らから話を聴き、インカムが不調なまま試合を続行していたとする調査報告書を作成。11月末、朝明側に口頭で説明した。
朝明側はその際、協会側から「結果は覆らない」とした上で「ノックフォワードと判定していれば勝敗が入れ替わった可能性があった」と説明を受けたとしている。
協会側は「インカムの不調はよくある。現場の判断を尊重するのがラグビーの精神。いちいち指摘して試合を止めていたらそれはスポーツではない。しっかり検証したので再発防止に努める」としている。
朝明の関係者は「今回の敗戦をバネにし、選手たちに一層強くなってもらえたら」と話している。
前年度(2024年度)の決勝で朝明と四日市工は26―26で引き分け、両校優勝。抽選の結果、朝明が13大会連続15回目の花園出場を決めていた。
今年度優勝の四日市工は全国大会1回戦で昌平(埼玉)に0―83で敗れた。【長谷山寧音】
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