「突っ込んだ議論できた」赤沢氏、6月首脳合意に期待 日米関税交渉
日米両政府は1日午後(日本時間2日朝)、トランプ米政権の関税引き上げを巡る2回目の交渉を米ワシントンで開いた。2日以降も事務レベル協議を続け、5月中旬以降に閣僚協議を集中的に実施することで一致した。ただ、日本政府関係者によると、米国側は交渉の中で自動車や鉄鋼・アルミニウム関税の撤廃に難色を示したといい、引き続き両国間での厳しい駆け引きが続きそうだ。
協議後に記者会見した赤沢亮正経済再生担当相は「非常に突っ込んだ話ができた。両国間の貿易の拡大、非関税措置、経済安全保障面での協力について具体的な議論を進めることができた」と手応えを語った。
一方、赤沢氏から交渉内容の報告を受けた石破茂首相は2日、首相官邸で記者団の取材に応じ、「なお一致点を見いだせる状況には今のところなっていない」との認識を示した。
2回目の交渉では、米国側は日米交渉を担当するベッセント財務長官に加え、ラトニック商務長官、米通商代表部(USTR)のグリア代表が出席した。協議は米財務省で約130分にわたって開かれた。
赤沢氏は協議で「米国の関税措置は極めて遺憾」と述べ、「相互関税」や自動車関税などトランプ政権の一連の関税措置の見直しを改めて強く申し入れた。
米国側は日本に対する自動車などの巨額の貿易赤字を問題視している。このため日本側は、米国車の輸入に有利になるような日本の自動車安全規制の緩和に加え、米国の農産物の輸入拡大などについても対応の余地があると説明した可能性がある。
一方、トランプ大統領が問題視する円安などの為替問題と、在日米軍の駐留経費増加など安全保障に関する問題は議題にならなかった。赤沢氏は「その二つが今後とも議論の対象になるとは現時点で思っていない」と述べ、為替と安全保障は日米関税交渉の枠組みから切り離して議論されるとの見通しを示した。為替については、加藤勝信財務相とベッセント氏の日米財務相協議で扱う予定。
今後の交渉日程について、赤沢氏は「国益を守りながら、できるだけ早く日米双方にとって良い結論を出したい」と表明。関税の撤廃・引き下げなど日本の国益にかなう大きな成果を粘り強く要求する一方で、足元で日本の自動車メーカーなどに損失が発生している事態を踏まえ、できるだけ早期の合意を目指す考えを示した。記者団から首脳間で6月に合意に至る可能性を問われた赤沢氏は「そういう段階に入れればよいと思っている」と述べた。
一方、石破首相は「時期について言及すべきだとは思っていない。それ(合意)は早いに越したことはないが、早いことを優先するあまり、国益を損なうものであってはならないのは当然のことだ」と慎重な姿勢を示した。
関税交渉ではまず大枠合意をしてから細部を詰める「2段階交渉」も取り沙汰されているが、赤沢氏は「現時点で決まっているものはない」と述べるにとどめた。【大久保渉(ワシントン)、金寿英(同)、神山恵】
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