やっぱり転勤は嫌? 社員が勤務地選べるIT、コンサル転職が増加

2025/05/02 11:41 

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 転勤を望まない人が増える中、転勤が少ないITやコンサルティング企業に転職する人が増えている。

 外資系総合コンサル大手のアクセンチュアは全国に拠点を広げ、職種に応じて社員が働く場所を選ぶことができる。採用時に職種や勤務地について互いに合意する仕組みだ。

 九州では2014年に熊本市、19年に福岡市に進出しており、デジタル分野の技術者らが勤務している。顧客企業の業務のデジタル化や人工知能(AI)の開発を担う。「九州にいながら最新の技術に触れ、首都圏や世界の大手企業を相手に仕事ができる」(広報担当者)のが売りで、福岡や熊本で勤務を続けながら昇進も可能という。

 アクセンチュアによると、今では福岡で1000人以上、熊本で400人規模の社員が働いている。転勤が少ないことを魅力に感じて中途入社する人や、「熊本や福岡の魅力を知り、異動を申し出た」と移り住む社員もいるという。

 LINEヤフー子会社のLINEヤフーコミュニケーションズ(福岡市)も13年の設立以降、社員数は増加し、24年4月時点で1650人が働いている。

 23年のヤフーとの経営統合前のLINE(ライン)のサービス運営を担う「ライン福岡」として設立され、社員の約9割は他社からの転職者だ。福岡市の本社からの転勤は限定的で、23年の再編後も「転勤は当面なし」で人材を募集している。

 「エン・ジャパン」のアンケート調査(24年11月~25年1月)によると、転勤経験のある30~50代のうち、34%が転勤をきっかけに「退職を考えたことがある」と回答。「実際に退職した」(8%)も含め、約4割の人が転勤と退職・転職を結びつけて考えていた。【久野洋】

毎日新聞

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