トランプ政権のベネズエラ移民移送 テキサス州連邦地裁「違法」判断

2025/05/02 16:43 

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 米南部テキサス州の連邦地裁は1日、トランプ政権による「敵性外国人法」を活用した不法移民対策は違法との判断を示し、同法に基づく強制送還を禁止する命令を出した。

 トランプ大統領は同法の活用を布告した際の声明で「ベネズエラの犯罪組織が移民に紛れて米国を侵略し、非正規戦を展開している」と主張していた。だが、地裁は「法の適用範囲から逸脱している」と判断した。

 トランプ政権は不法移民対策を最重要課題に掲げる。3月中旬には、敵性外国人法の活用を布告し、ベネズエラ移民ら約250人を「犯罪組織のメンバーだ」として裁判手続きなしにエルサルバドルの刑務所へ移送した。その際に送還を免れたベネズエラ人3人が今回の訴えを起こしていた。

 フェルナンド・ロドリゲス判事は、この法律が認定する侵略とは「軍や武装組織による特定地域での破壊行為」だと述べ、布告にはそのような状況の記載がないと指摘した。その上で、政府が権限を逸脱して違法な強制送還を実行したと批判した。

 敵性外国人法は1798年制定の戦時法で、第二次大戦中には日系人の強制収容にも利用された。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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