ゼレンスキー氏、米との協定「平等」と評価 関係改善を象徴か

2025/05/02 19:46 

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 ウクライナと米国が署名した鉱物資源などの共同開発に関する経済協定について、ウクライナのゼレンスキー大統領は1日、「真に平等な協力関係だ」とビデオ演説で高く評価した。トランプ米政権との関係改善を象徴する意味合いも大きいとみられる。

 ロシアの侵攻を受けるウクライナはかねて、最大の支援国・米国に「安全の保証」を求めてきた。安保面での強固な約束によって、停戦実現後の露軍の再侵攻を防ぐのが主な狙いだ。

 ロイター通信によると、今回の協定にはこれに関する明確な記述は含まれていない。ただ、米ホワイトハウスは1日、協定署名の発表文で「経済安全保障は国家安全保障だ」と強調した。この協定は「米国がウクライナの長期的な成功に関与するという強いメッセージをロシアに送るものだ」としている。

 米側が協定を広い意味で「安全の保証」の一環と位置づけていることを示唆した。

 ウクライナ政府の発表では、交渉を担当したスビリデンコ第1副首相兼経済相は「(協定は)ウクライナの永続的な平和への米国の強い関与を表す」との認識を示した。

 双方の発表によると、協定では、両国が資金を拠出する投資基金を設立する。基金の利益は当初10年間はウクライナ経済の復興に再投資され、その後は両国で分け合う。米側のこれまでのウクライナ支援費用の「回収」という形にはせず、将来的な支援を米国分の拠出金として扱うという。

 ゼレンスキー氏は「ウクライナへの投資の機会を作り、工業を現代化できる」と述べ、経済的な効果も強調した。【ベルリン五十嵐朋子】

毎日新聞

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