「現金預かれない」 貸金庫の運用指針見直し 全銀協、窃盗事件受け

2025/06/19 19:48 

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 全国銀行協会は19日、会員行による貸金庫の運用指針を見直し、「現金」を預かれないものと明示するよう改めたと発表した。三菱UFJ銀行やみずほ銀行の元行員らがかかわった貸金庫窃盗事件を受けた措置で、会員行に現金を取り扱わないように促す。

 運用指針となる「貸金庫規定ひな型」では、現金の扱いを具体的に示していなかった。今回は「現金その他のマネーロンダリング(資金洗浄)およびテロ資金供与などの不正利用の防止の観点からリスクが高いと考えられるもの」と書き示した。

 また指針には、貸金庫に現金などを保管しないことを利用者に確認させる文言も追加した。

 全銀協の半沢淳一会長(三菱UFJ銀頭取)はこの日の記者会見で「利用客に多くの影響があることから、会員行には十分かつ適切な周知期間をもって丁寧な対応に努めるよう求めている」と述べた。

 半沢氏によると、三菱UFJ銀では来年2月に規定を改定する予定。三井住友銀は今後の対応は未定とした上で、「金融庁の監督指針や全銀協の指針を参考に規定を改定する予定」とした。貸金庫の新規契約を停止しているみずほ銀は「規定の見直し後、約半年の周知期間を設けて現金預かりをやめる方針」としている。

 金融庁は金融機関向けの監督指針を改定。マネロンを防ぐ観点から、貸金庫で預かる対象から現金などリスクが高い物品を除外するように促していた。【福富智、山口智、秋丸生帆】

毎日新聞

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