セブン&アイHD、3~5月は3年ぶりの増益 ヨーカ堂店舗売却で

2025/07/10 20:50 

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 流通大手のセブン&アイ・ホールディングス(HD)が10日発表した2025年3~5月期連結決算は、最終(当期)利益が前年同期比約2・3倍の490億円だった。イトーヨーカ堂の店舗資産の売却により、3~5月期として3年ぶりの増益となった。

 売上高に当たる営業収益は同1・6%増の2兆7773億円、本業のもうけを示す営業利益は同9・7%増の650億円だった。

 国内コンビニ事業は、人件費や家賃など販売管理費が膨らみ、営業利益は11%減の545億円だった。

 セブン―イレブン・ジャパンの阿久津知洋社長は決算説明会で「非常に厳しい船出となった。過去の成功体験を抜け出して、新たな挑戦をしていきたい」と述べた。またセブン&アイは8月に新たな中期経営計画を公表する。

 同社は現在、カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けており、特別委員会を中心に議論を進めている。

 ただ、自社単独での経営が基本路線で、成長に向けてコンビニ事業に注力し、イトーヨーカ堂や赤ちゃん本舗など非コンビニ事業を束ねる中間持ち株会社について、26年2月までに米投資ファンドのベインキャピタルへの売却を完了させる方針。また、25年6月には、傘下のセブン銀行を非連結化した。【鴨田玲奈】

毎日新聞

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