XのCEOヤッカリーノ氏が退任 マスク氏買収後にトップ就任

2025/07/10 10:32 

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 米短文投稿サイト「X」のリンダ・ヤッカリーノ最高経営責任者(CEO)は9日、トップを退任すると発表した。理由は明かしていない。実業家のイーロン・マスク氏がXの前身であるツイッターを買収した後に、マスク氏からCEOを任され、約2年間、同社を運営。マスク氏の方針でコンテンツ規制が緩和され、デマやヘイト投稿が増えて広告主の撤退が相次ぐ中、難しい経営を余儀なくされていた。

 ヤッカリーノ氏はXに「2年間の素晴らしい年月を経て、XのCEOを退くと決めた」と投稿。「マスク氏と初めてXの構想について話したとき、一生に一度のチャンスだと思った。彼に心から感謝している」と謝意を示した。

 マスク氏はヤッカリーノ氏の投稿に「あなたの貢献に感謝する」と返信した。

 マスク氏は2022年10月に旧ツイッターを440億ドル(約6・4兆円)で買収。大幅な人員削減を進めた後、23年6月に米メディア大手NBCユニバーサルの広告担当幹部だったヤッカリーノ氏にCEOを任せ、自らは電気自動車テスラの経営に注力する考えを示していた。

 だが、マスク氏は24年11月の米大統領選でトランプ氏陣営を支援するなど政治への関与を強めた。トランプ氏との「蜜月関係」が崩れ、販売不振に陥っているテスラなどの企業運営に軸足を移すとみられていたが、7月上旬には新党設立を表明するなど再び政治色を強めている。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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