韓国・与党支持率が急回復、戒厳令宣布前より高く 支持層に危機感か

2025/01/13 19:27 

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 韓国の主要な世論調査会社の調査で、保守系の与党「国民の力」の支持率が急激に伸び、進歩系の最大野党「共に民主党」と拮抗(きっこう)する水準にまで回復した。与党の支持率は、先月3日の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領=職務停止中=による「非常戒厳」宣布前後よりも高くなっている。

 もともと保革対立が激しい中、現状の政治的混乱の収拾よりも自らの党派的利益を優先しているとして野党にも世論の批判が向かっていることや、こうした野党に対して与党支持層が結束を強めたことなどが背景にあると指摘されている。

 「リアルメーター」が13日に発表した調査では、与党が前週比6・4ポイント増の40・8%、共に民主党は同3・0ポイント減の42・2%だった。4週連続で与党の支持率が伸び、共に民主党は低下した。同社が2024年12月13日に発表した調査では、与党は25・7%、共に民主党は52・4%だった。

 また「韓国ギャラップ」が10日に発表した調査でも、与党の支持率が34%、共に民主党は36%だった。同社が24年12月20日に発表した調査では、支持率はそれぞれ与党24%、共に民主党は48%だった。同社は「与党支持層の政権交代への危機感が高まっている一方で、中道や進歩層の野党への期待感が下火になったとみられる」と分析した。

 共に民主党内からは、大統領代行を務めた韓悳洙(ハンドクス)首相=職務停止中=をも弾劾訴追するなど強硬路線を取ってきたことへの反省の声も出ている。共に民主党の金泳鎮(キムヨンジン)議員は10日のラジオ番組で、韓氏に対する弾劾訴追などを挙げ「我々が適切に問題を管理する点が少し不足していたようだ。国民の声もよく聞かなければならない」と述べた。【ソウル福岡静哉】

毎日新聞

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