「トランプ減税」延長とFRB独立性の尊重を明言 次期米財務長官

2025/01/17 09:58 

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 トランプ次期米大統領から財務長官に指名されたスコット・ベッセント氏が16日、連邦議会上院の公聴会に出席した。2025年末に一部失効する「トランプ減税」の恒久化を重要課題に掲げるとともに、米連邦準備制度理事会(FRB)の独立性を尊重する考えを明言した。

 ベッセント氏は「減税を恒久化し、米国の製造業や労働者などの負担を軽減する新たな成長戦略を実施しなければならない」と強調。1期目のトランプ政権が17年に導入し、現在も続いている所得税などの減税策について「延長しなければ経済的な大惨事となる」と述べ、優先課題として取り組む考えを示した。

 FRBについては「金融政策の決定に関し、独立しているべきだ」と明言。中央銀行デジタル通貨(CBDC)については「米国が持つべき理由はない」と、検討しない考えを示した。

 日本製鉄によるUSスチールの買収計画については、対米外国投資委員会(CFIUS)の再審査が必要となれば「(CFIUS議長として)通常通りに審査する」と述べた。

 ベッセント氏は投資会社キー・スクエア・キャピタル・マネジメントの最高経営責任者(CEO)で、大統領選でトランプ氏陣営の経済政策アドバイザーを務めた。

 財務長官は米経済閣僚の最重要ポストで、トランプ氏の掲げた大型減税を指揮するとともに、関税引き上げなどの重要政策にも関与する。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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