「タイをスーパーモデル輩出国に」 タクシン元首相の構想に批判集中

2025/01/20 17:41 

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 タイ与党の事実上の党首とされるタクシン元首相が、タイを「スーパーモデルの輩出国にする」との構想を披露した。世界的なファッションモデルのナオミ・キャンベルさんからも助言を受ける予定だというが、ネット交流サービス(SNS)上で集中砲火を浴びている。

 「生まれつき美しいタイ人は、世界的なモデルになるのに適している」。タクシン氏は18日、訪問先の北東部ナコーンパノム県でそう話し、ファッションモデル育成に向けたプログラムの実施について政府機関との間で話を進めているとした。

 地元メディアによると、予算は2000万バーツ(約9000万円)で、タクシン氏自らスポンサーを募る。整形手術をしていないことなどが条件。近くタイを訪れる予定のキャンベルさんからも、スーパーモデルになるための秘訣(ひけつ)を教えてもらうつもりだという。

 ただ、世間の反応は冷ややかだ。

 理由の一つは、タクシン氏が今月上旬、黒人について「鼻がぺちゃんこなのにスーパーモデルになっている。タイ人は生まれつき美しく、整形手術をしなくてもモデルになれる」などと差別的な発言をしたからだった。

 タクシン氏の次女であるペートンタン首相は「父は『タイ人は美しい』と言いたかったのだと思う」と釈明したが、X(ツイッター)ではモデルの育成計画について「電気料金値下げという党の公約も実現していないのに、荒唐無稽(むけい)で無責任な発言だ」などと批判が相次いでいる。【バンコク石山絵歩】

毎日新聞

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