タレントの中居正広さんと女性のトラブルに、フジテレビ社員が関与していたとの週刊誌報道を巡り、企業がフジテレビへのＣＭ出稿を差し止める動きが拡大している。毎日新聞の取材では、少なくとも５０社超が差し止めを決定し、「検討中」の企業も多数に上るとみられる。

　１８日にトヨタ自動車や日本生命保険が差し止め、２０日にはセブン＆アイ・ホールディングスや日産自動車などが続いた。大手乗用車メーカーは２０日の段階で全社が出稿を止めたことになる。各社とも「報道を踏まえ総合的に判断した」としている。

　花王は１８日放送分からＣＭを中止した。情報番組「めざまし８」などにＣＭを出してきたが、「企業活動全体を通じた人権尊重」を掲げる「花王人権方針」などにのっとり「総合的に判断した」という。自社のＣＭを公益社団法人「ＡＣジャパン」のＣＭに差し替えたが、提供の表示やナレーションなどは作業が間に合わず、１８日以降も残っていた。２０日朝にはすべての差し替えを終えた。

　現状ではＣＭを出稿していない企業の「フジテレビ離れ」も起きている。住友生命保険は自社ホームページで「当面の間、フジテレビでのＣＭを見合わせるなどの対応をする」と公表した。【加藤結花、秋丸生帆、安藤龍朗】