自公「高校無償化4月は困難」 維新は「2段階」提案 実務者協議

2025/01/20 20:52 

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 自民、公明両党は20日、日本維新の会との教育無償化を巡る実務者協議で、所得制限のない高校授業料の無償化について、維新が求める今年4月からの開始は困難との見解を示した。維新は全面開始の先送りも視野に協議を続ける構えだ。

 自民の実務者を務める柴山昌彦元文部科学相は、高校無償化で私立受験が過熱し、無償化分が塾代などに使われる可能性を指摘。記者団に「私立も含めた無償化が教育の質や多様化を尊重した形につながっていくのか」と懸念を示した。

 その上で、既に受験校を決めた中学3年生を念頭に「(入学)願書を提出した方々との関係がどうなるのか」と述べ、4月から開始する問題点を強調した。

 これに対し、維新の金子道仁参院議員は「無償化によって受験戦争を(起こす)という趣旨は全くない。生徒が多様な学びを選択できる」と反論。開始時期については「全てを一括して4月ではなく、できることは早く、しっかり制度設計をすべきところは後に回す『2段階』の考え方を提案した」と述べ、全面開始を先送りする可能性に言及した。具体的な内容は「これからの議論になる」と述べるにとどめた。次回の協議で論点を整理するという。

 自公は24日召集の通常国会で審議する2025年度予算案への協力を得るため、維新が重視する教育無償化の協議を進めている。予算案の衆院通過前と見込まれる2月中旬をめどに一定の結論を出す方針だ。【田中裕之、高橋祐貴】

毎日新聞

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