首都圏を中心に相次いだ「闇バイト」が絡んだ強盗などのうち、２０２４年１１月に千葉県野田市の住宅であった空き巣に関与したとして、千葉県警は２０日、東京都江戸川区の事件当時１９歳の無職男性（２０）とフィリピン国籍で葛飾区の自称飲食業の男性（１９）を窃盗と住居侵入容疑で逮捕した。無職男性は指示役とみられる。

　一連の事件で指示役が逮捕されたのは初めて。無職男性は「上から指示が送られてきた」と供述しており、県警は上位の指示役がいるとみている。

　逮捕容疑は２４年１１月１３日午後２時４５分ごろ、実行役らと共謀して、野田市のパート女性（４９）の自宅に１階の窓ガラスを割って侵入し、ショルダーバッグや腕時計など計１２点（時価計１４０万２５００円相当）を盗んだとしている。

　県警によると、無職男性は容疑を認めている。フィリピン国籍の１９歳男性は実行役を集める「リクルーター」とみられ、おおむね容疑を認めているという。

　県警は無職男性ら２人を、窃盗容疑などで逮捕され千葉家裁松戸支部に送致された実行役とみられる１８歳の男性２人から押収した携帯電話の解析や供述などから特定した。無職男性は秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」で「ホセ」というアカウント名を使い、実行役らに通話して指示を出していたとみられる。

　今回逮捕された無職男性ら２人は２４年１１月ごろに都内の飲食店で知り合ったという。無職男性が「実行役を探している」と１９歳男性に持ちかけ、１９歳男性は実行役として知人らを誘ったとみられる。【林帆南】