韓国の尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領の逮捕に反対する人々が令状を発付した裁判所に乱入した事件を巡り、ソウル警察庁は２０日、拘束した９０人のうち、半数を超える４６人が２０～３０代だったと発表した。ユーチューバーも３人いた。聯合ニュースなどが報じた。本来、高齢者が多い保守の集会で、２０～３０代の男性が増えているとの指摘も出ている。

　１９日未明、ソウル西部地方裁判所が尹氏の拘束継続を認める令状を発付し、尹氏の支持者らが暴徒化。裁判所内の設備を破壊し、警察や報道陣に対して暴行するなどした。警察は建造物侵入や公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕した。

　昨年１２月に国会前で行われた尹氏の弾劾を求める大規模デモでは２０～３０代の女性の多さが注目された。京郷新聞によると、ソウル市の人口データを分析した結果、１２月１４日の弾劾賛成派の集会では２０代女性の比率が１７・９％と最も高く、次が３０代女性で１２％だった。一方、２０～３０代の男性は３～５％にとどまった。

　近年の選挙では、２０～３０代の女性の多数が進歩系の候補に投票し、男性の多数が保守系候補に投票する傾向が出ている。韓国日報は１９日、大統領選を見据え、若い男性らが進歩系政権になることを阻止するために集結しているとの分析を伝えた。また、若年男性をターゲットにした右派系ユーチューバーのコンテンツが新しい市場を形成しており、発信の影響力が拡大しているとの専門家の見方も伝えた。【ソウル日下部元美】