処理水放出、中国外務省も放射性濃度「異常なし」 禁輸解除は不透明

2025/01/23 18:15 

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 東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を巡り、中国外務省の毛寧報道局長は23日の記者会見で、中国の専門家が昨年10月に周辺海域で採取したサンプルを中国の研究機関が分析した結果、放射性物質の濃度に異常は認められなかったと明らかにした。

 中国政府は処理水の海洋放出を理由に、日本産の水産物を全面禁輸している。毛氏は今回の分析結果について「最初の一歩に過ぎず、輸入再開できるかどうかは、継続的かつ独立したサンプル分析など一連の科学的データに基づいて決定される」と述べた。早期の禁輸解除につながるかは不透明だ。

 日中両政府は昨年9月、中国が国際原子力機関(IAEA)のモニタリング(監視)枠組みに参加し、独自にサンプルを採取して安全を確認した上で段階的に輸入を再開することで合意した。

 中国外務省の会見に先立ち、中国紙「環球時報」は22日、今回の分析結果を報道。処理水放出が「関連海域の海洋生物に影響を及ぼす兆候は今のところ表れていない」とする専門家の見方も紹介した。同紙によると、具体的なデータは今後、IAEAが総括して公表するという。【北京・河津啓介】

毎日新聞

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