メキシコのシェインバウム大統領は３０日、米グーグルが地図アプリ「グーグルマップ」でメキシコ湾の名称を「アメリカ湾」に変更すると発表したことを受け、同社に抗議する文書を送付したと明らかにした。ロイター通信などが伝えた。

　トランプ米大統領は就任初日に米南部に面するメキシコ湾を「アメリカ湾」に改める大統領令に署名した。その後、グーグルは米国の地名と位置情報を収めるデータベース「地名情報システム（ＧＮＩＳ）」が更新され次第、米国内のユーザーを対象に名称変更を反映すると発表した。メキシコのユーザーには引き続き「メキシコ湾」と表示され、米・メキシコ以外の地域では両方が併記されるという。

　シェインバウム氏は、自国の主権は基線から１２カイリ（約２２キロ）までしか及ばないとする国際法に基づき「メキシコ湾の名称を米国が合法的に変更することはできない」と主張し、グーグルに再考を促した。【ニューヨーク八田浩輔】