ビットコインの備蓄「しない」 ECB総裁明言 チェコや米国が検討

2025/01/31 15:45 

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 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は30日、主要な仮想通貨(暗号資産)であるビットコインについて、欧州各国の政府や中央銀行が通貨安定などのために備蓄する「外貨準備」に採用することは「無いと確信している」と述べた。

 暗号資産を政府や中銀が保有するアイデアは、ECB構成国のチェコや米トランプ政権などが検討する動きを見せて注目を集めているが、ECBは導入しないと明確に否定した形だ。

 欧州では、チェコ国立銀行(中銀)のミフル総裁がリスク分散のため外貨準備にビットコインを含めるよう検討すると英フィナンシャル・タイムズが報じていた。

 チェコは統一通貨ユーロに参加せず、独自通貨コルナを使用しているが、EU加盟国としてECBの一般理事会のメンバーになっている。

 ラガルド氏は記者会見で、ミフル氏との議論の詳細は明らかにしなかったが「良い会話ができた。彼が言いたいことを言うのは止めない」と述べた。

 ただし「(ミフル氏も)他の中銀総裁らと同様、外貨準備には流動性や安全性などが求められることに納得していると信じる」として、チェコ中銀による導入をけん制した。

 仮想通貨は価格の変動が非常に大きく、サイバー攻撃による盗難事件も起きている。

 仮想通貨を巡っては、トランプ米大統領が23日、利用を推進する大統領令に署名。国家として備蓄することを検討する姿勢を示している。

 外貨準備は政府や中銀が保有する資産で、通貨を安定させるための為替介入や他国への債務返済などに充てる。【ブリュッセル岡大介】

毎日新聞

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