米ワシントンでマスク氏への抗議デモ 「国家乗っ取りが狙い」批判も

2025/02/05 10:27 

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 米国の首都ワシントンで4日、「政府効率化省(DOGE=ドージ)」を率いて急進的な人員削減や省庁改廃を進める実業家のイーロン・マスク氏に抗議するデモがあった。DOGEを「影の政府」と批判する声が強まっており、デモ参加者は「誰もマスク氏を選挙で選んでいない」「マスク氏は家に帰れ」などとシュプレヒコールを上げた。

 デモは4日夕、ホワイトハウスに近い財務省の庁舎前で開かれ、民主党の連邦議会議員や政府職員ら数百人が参加した。

 DOGEは、連邦政府職員の削減、政府庁舎の再編、教育省や対外援助機関「国際開発局(USAID)」の組織改廃、DEI(多様性、公平性、包摂性)施策の廃止などを主導している。マスク氏は無給の特別職公務員としてトップを務める。

 ホワイトハウスにオフィスがあるとされるが、水面下で活動しているため実態が見えにくい。米メディアによると、マスク氏は連邦政府の歳出や人事のシステム、機密情報へのアクセスが認められるなど、広範な権限を委ねられている。デモ参加者の女性は「政府に入り込んで機密にアクセスし、国家を乗っ取ろうとしている」と批判した。

 トランプ大統領は「イーロンは我々の承認がなければ何もしない。適切なら認めるし、不適切なら認めない」と説明するが、マスク氏への風当たりは強まっている。【ワシントン秋山信一】

毎日新聞

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